2月24日:キレイなものたち

今日はお腹がじくじくいたくて、やらなきゃいけないことだけをえいしょとこなして、そのほかはお布団の中で丸まって過ごした。

いたいなぁと思いながら体を抱えていると、なんだか自分が繭の中にいるみたいで、なにかに守られているみたいで、だけど少しだけ寂しかった。それはやっぱりひとりだから。そばにはだれもいなくて、ねぇと話しかけることもできなかったから。さびしいなぁ、と思いながら体をさらにくくくと丸めた。

きっと、寂しいからこそ浮かんでくるキレイなものもあるよなぁ。そんなことを思う。寂しい気持ちにならないと思い出せないものたち。受け止められないものたち。

ひとりでぼんやり見つめるカーテンから漏れ出る光。お腹がすいたなぁと思いながら想像するやさしい味。寂しいからこそ感じた気持ちを布団の中であれこれ思い出す。ひとりだから気づいたどこかツンとした風のにおい、空気の中にあるトゲ、その中で揺れる他人の家の光。歩くたびにやけにうるさい足音、確かにそこにいる自分。

いたいなぁと思いながら、お腹を守るように背中をさらに丸めながら、寂しさの中で見つけたキレイなものたちをちゃんと思い出せたことがうれしかった。たくさん眠ろう。今度はうれしさや楽しさの中にあるキレイなものを見つけられるように。