6月12日:新しく知ること

最近図書館を利用するようになった。はじめは仕事で必要な書籍を読むためだったが、「本が読み放題」という魅力を再認識して、今では仕事を抜きに頻繁に通っている。

当たり前だけど、わたしが図書館を利用していなかったときも、図書館を利用している人はいる。行くたびに「平日でもたくさん人がいるんだな」と思う。のんびり時間を潰しているように見える人、子ども連れの人、雑誌コーナーを興味深そうにながめている人、真剣にノートにメモしている人、カウンターでお目当ての本のありかを尋ねている人。たくさんの人がいて、その人たちはわたしがここにこなくても、今この瞬間にここに存在しているんだよなと少しだけ不思議な気持ちになる。

自分が知らない世界がたくさんあって、自分が知らなくてもそこの世界は回っている。新しい世界に飛び込んでみてもわたしが入ることで生まれる波紋はほんの小さなもので、側から見たらなにも変わっていないんだろう。それがとてもおもしろい。(図書館の存続についての問題点はひとまず抜きにして話を進めます)(なくならないでほしい)(あと司書さんの給料もあげてほしい)

なにか新しいことを始めたいとき、そこまで怖がらなくてもいいのかもしれないとも思った。ひとりの力は偉大だけれど、ひとりの力は小さくもある。ちょっと足を踏み入れて、やっぱりなんか違ったと足を引っ込めたとしても、中にいる人のほとんどはまったく気づかないのかもしれない。それを寂しいと感じるか、気楽だと感じるかは人それぞれだけど。ひとまずわたしは、生活に新しく加わった図書館という居場所を大切にしたいと思う。

ちなみに今は哲学の本を読んでいます。はじめて知ることはおもしろいね。人生知らないことばかりだ。