4月20日:妊娠中の「死にたい」について

妊娠9か月に入る直前に、ふと「死にたいなぁ」の気持ちが心にポツンと浮かんできた。あら? わたし、いま "死にたい" と思ったの? ふうん……と、宙に浮かんだままの感情をぼんやり見つめて、どうしたものかと考える。

最初は、なにか理由があるのだろうと考えた。

初めての妊娠・出産でなにもかもわからないこと、コロナ禍で両親学級などがすべて消えて知識不足が否めないこと、体の変化への戸惑い、単純な体調不良、お腹の重さや腰の痛み、無事に産めるかわからない怖さ、出産の痛みへの恐れ。あれこれあげても「まだあるでしょ、これもでしょ」とポンポンと出てくる不安の種。

夫が転職直後で育休の取得が難しいため、日中は赤ちゃんとふたりだけで過ごすことになる。わたしや夫の両親に頼ることもできない。実の姉がサポートしてくれると言ってくれているけれど、姉も2人の子どもの母。おんぶに抱っこというわけにはいかないよなぁ、と思うと出産後の生活がスタートするのがすこぶる怖い。

けれど、どれもこれも「だから死にたい」にはつながらない気がする。すべての不安をぎゅっとひとまとめにしたら意外と大きくて、わぁ! 耐えられないよ! だから死にたい…………というわけでもない気がする。

いろいろ調べてみると、妊娠中に「死にたい」「消えたい」と感じる人はわたし以外にもたくさんいて、さらにはその理由としてホルモンバランスの乱れがあげられていた。

出ました! ホルモン! すべての不調をホルモンバランスの乱れで完結しようとするその心意気やよし、ではない!!よしとしない!!!

ホルモンホルモンうるせ〜んだよ至るところで見るぞホルモン。またお前かよ、とうんざりするほどの主張の強さ。ホルモン。カルビやハラミを極め終わった焼肉好きかよ大人しくタン塩を食え……と気持ちが荒ぶり始めたところで、ふと思い直す。ホルモンバランスの乱れ。

いままでのわたしの人生、悲しみや苦しみには理由があって、それらを解決することで気持ちをおだやかに保ってきたように思う。不安の原因から離れることで心を落ち着かせて、自分の人生に集中してきた。だからつい、「死にたい理由はなんだろう?」と考える。これが間違っているのかも。理由なんてないのかも。なにかひとつあげるのなら本当にホルモンバランスの乱れなのかも。それはわたしの体の中で起きていて、逃れる術はなく、ただただ不安とともに時間が過ぎるのを待たなくてはいけない。

それはどうにもつらいし理解に苦しむから、どうにか「なぜ死にたいの?」の答えを求めて周りをキョロキョロしてしまう、のかもしれない。そして答えを探すための思考は一番身近にいる夫に向かうことが多く、冷静に考えたらなにも問題がない夫の行動に「その行動のせいじゃない!? キーーーー!!!!!」となるのだ。落ち着いてパフェでも食べたら「パフェおいしい、あまい、そしてやっぱり夫がだいすき」となるのに。(ココスのチョコミントパフェとデニーズのメロンパフェとてもおいしかった)

乱れるなよホルモン、と思ってもお腹の中でひとつの命を育てているのだから無理もないのか。乱れまくりのホルモンと一緒に出産まで残り約60日、なんとか乗り越えなければいけない。

あ〜〜〜〜〜〜とりあえず、この「もう消えちゃいたいぜこの世からよ」の気持ちが強まって、それが「パフェ?? いらんですわそんな甘ったるいもの、消え失せよパフェ」となったらいよいよやばい。「パフェ? なんですかそれは……」となったらとうとうやばい。「パ…………」となったら終わりだ。

パフェを気持ちのバロメーターにしつつ、やばいぞゾーンにきたときにすぐに相談できるよう、窓口やサポートを夫に探してもらうことにしよう。そうしよう。ありがたいことに今週は助産師さんとの面談がある。そのときに気持ちをバーッと吐き出しつつ、産後のケアやサポートをあれこれ聞き出して、帰りに喫茶店でおいしいものでも食べるとしよう。そうしよう。

世の中の妊婦さん、わたしがお金持ちになったらひとり500000億円あげたいよ。たいへんだよね、日中眠いのに夜は全然眠れなくない?? 睡眠仕事しろって思うよね。もう眠れないなら知らんわ!!! と最近はYouTubeメイク動画を見ておりますわ。一緒に「骨盤ベルトってどこにつけるん? えっ、意外と下の位置じゃーん!!」って笑いながら話せる妊婦さん友達ほしいな。あれって意外と下につけるよね。